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豊郷小学校日誌 反省会


 ~居酒屋・大人のきりたんぽ、祇園支店~

 キリ「それでは、豊郷小学校シリーズ完走を祝って乾杯!」

 一同「かんぱーい!!」

 ゴクッゴクッゴクッゴクッ

 キリ「プハァーッ!この為に生きてんなー!」

 岡崎「でもそれコーラでしょ!!」

 キリ「下戸にアルコールを飲めと言うのかコノヤロウ」

 田所「せめて最初の一杯はビールにしましょうよ」

 土井「そうっすよ!」(ビールゴクー

 ユーキ「そうだそうだー」(カルーアミルクグビー

 岡崎「これだから草食系とか言われるのよねー」(タンタカタンゴクー

 那岐「」(焼酎クピー

 実「キリさんいきなりフルボッコだね」(オレンジジュースチュー

 キリ「酒呑める奴が羨ましいよ……」




 ユーキ「しっかし、今回のシリーズは色々とやらかしちゃったよねー」

 キリ「まあ反省点やら何やらはいろいろあるわな
 まず全26話で1ヶ月も連載する長編になったしなぁ」

 実「長編嫌なの?」

 キリ「嫌ではないんだけど、1話辺りが長いと読む方が疲れるだろ
 だから1話を出来る限り短く、なおかつ内容含ませようとしたら全26話にな

 それに長くなると似通った言い回しも出るからそれを意識したりとかな」

 実「無駄に色々と凝ってるのね」

 ユーキ「凝った結果と作品のレベルが伴ってないけどねー」

 キリ「そう言われると何かムカつくわ」

 ユーキ「戦闘描写に力を注ごうとしたのは認めるけどねー」

 キリ「ホント、動きを字で表すのって難しいんよ
 ラノベとモンハン全盛期は読んでスゲーってなって
 いざ自分で書くとなったら、3行書けただけで満足、これで食ってるプロは尊敬するよ」
 モンスターハンター 魂を継ぐ者




 実「苦労した結果、様々な方面に喧嘩売るキャラ設定だもんね」

 キリ「そうだなぁ
 豊郷小学校行った時にモフモフハンマーっての見て書こうと思ったんだけど
 そこからのキャラ付けはもうなぁ」
 モフモフハンマー

 ユーキ「律はおデコからレーザー、秋山澪は親韓派だからねー」
 ピッカリレーザー改
 イデホー!ファイティーン!!

 キリ「ホム・ヨナみたいにネトウヨに見つかったら炎上するかもな」
 ホム・ヨナ

 ユーキ「そんな集客力がこのブログには無いんですが、それは」

 キリ「うるせー」

 実「でも梓をゴキブリ扱いするのはどうかと……」

 キリ「サンジュ出したらウヨにゃん・ゴキにゃん出さないと公平じゃねーだろ」
 ウヨごきにゃん

 実「どこに公平なんですか!?」

 ユーキ「でもそのままゴキブロにゃんまで派生するとは斜め上だったわねー」
 ゴキブロにゃん②

 キリ「ポケモン廃人ならではの発想ってことで
 あとムギをどう戦わせるかと和の戦い方もいろいろ悩んだんだよな

 結果、サポート役と知的キャラに落ち着いたんだけど」

 ユーキ「あらゆる方面に喧嘩を売るスタイルねー」

 キリ「注目浴びてねーからやり放題だ」

 ユーキ「でもそうなると最後の平沢唯・憂しまいのキャラ付け薄くないー?」
 平沢唯 3

 キリ「ホントは唯の天然っぷりをもっと前面に押し出したかったんだけど
 正直、講堂のさわちゃん・ウヨにゃん書き終えた辺りで

 “ここで戦闘終了、ゴキブロにゃん爆発エンドでいいかなぁ”って思い始めたら
 その迷いが生じたまま続き、戦闘エンドを書いてたら、の結果なんだ」

 実「要するに“手抜き”って事ね」

 キリ「厳しいこと言うねぇ」

 実「書き始めたなら作品に全力と愛を注いで下さい!」

 キリ「次回以降、気を付けたいと思います…………」




 ユーキ「このシリーズはさー」

 キリ「うん?」

 ユーキ「いつもと違って結構踏み込んだ設定多くなかったー?」

 キリ「たまにはこうのも良いかなって
 土井と実の魔法使い設定、ユーキの魔術と黒刀は見せておきたくて」

 那岐「」(クイクイッ

 キリ「そうだな
 今後活かされるか不明、てか立ち消えそうな第三者の登場とかな」

 那岐「」(アツカンゴクー

 ユーキ「でもまた日常に戻るんでしょー」

 キリ「戦ってばっかじゃ辛いだろ」

 実「書くのが嫌なだけでしょ」

 キリ「もう少し精進したいのはあるが
 どうしても連載物になるから、ちょっとはな

 それに、このシリーズ書く為にわざわざけいおん!とけいおん!!見直したからな」

 ユーキ「でもホントは結が使う技をジョジョのスタンドにしたかったんでしょ?」
 ジョジョ スタンド

 キリ「だったんだけどな
 スタンドにすると殴り合いが出来ないという事実を知ってしまい」

 ユーキ「敢え無くオーバーソウルに変更したってわけねー」
 オーバーソウル

 キリ「色々と調べたんだが、残念ながら無理ってなって」

 実「何でその調べる努力をリアルで使わないんですか…………」

 キリ「別にいいじゃん
 とりあえず今日はゆっくり飲んで、休もうぜ」

 ユーキ「おおー!!」

 キリ「じゃあ、改めて乾杯!」



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豊郷小学校日誌 最終回


 土井「おーい、もう出て来て大丈夫だぞ」

 実「…………ホント、みたいね」

 田所「まだ殺してはいないんっすね」

 ユーキ「ちょっとお話しないとねー」

 田所「そういえば戦ってる最中に会議してたっすけど
 アレって何話してたんっすか?」

 土井「アレは“戦う相手を入れ替えた方が相性が良いから交代する”
 それと“2人はお互いを信頼し合ってるから一方がピンチになったら集中力が削がれる
 そのタイミングで拘束することを狙え”って作戦だ

 砂埃が舞い上がって目くらましになったのは偶然だけどなwww」

 田所「あの短い時間でよく相性を見極めたっすね」

 ユーキ「簡単だよー
 オーソドックスには変則戦法でー、逆もまた然りってねー」

 田所「はぁ……」

 土井「でだ、コイツらはもう殺しちゃっていいのか?」

 岡崎「その娘たちは人間じゃないのよ」

 土井「薄々分かってたけどよぉ
 抜きん出た身体能力にビームやら波動も打てるんだから、女子高生どころか人間じゃねーよな」

 ユーキ「そうだったんだー
 アタシは強い相手と戦えれば別にいいんだけどさー」

 土井「気付いてなかったのかよ…………」

 岡崎「で、話戻して彼女たちの処理についてなんだけど
 今後の被害・犠牲者拡大を懸念して早いとこ消滅させるって意見が出たわ」

 土井「妥当な意見だな、反対の表情見せてるのもいるが」

 実「フンッ!」

 土井「そんなに怒るなんて珍しいじゃねーか」

 実「だって!勝手に私たちが生み出しておいて、やっぱり消すって酷くない!?
 都合が良すぎるし、人じゃないからって!それで殺しちゃうのってどうなの!?」

 唯「…………」

 憂「…………」

 土井「ちょっとは理解できる
 でも岡崎の言う通り、こいつらには前科があるし、現に俺らは被害者だ

 俺らがここで見逃したからって再犯する可能性の方が高いからよ」

 岡崎「たまには真っ当な意見も言うのね、土井くんも」

 土井「うるせーよ」

 実「そう、なの?本当に?」

 岡崎「改心する余地があるって、まだ思ってるの?実ちゃんは甘いわ」

 実「――――――――――――ッ!!」

 ユーキ「梗子ちゃんー、それはちょっと言い過ぎなんじゃー」

 岡崎「厳しく現実を教える事も年上の役目でしょ」

 実「でも…………でもっ!」

 キリ「ハイそこまで!
 実ちゃんと田所には悪いけど、次に被害者が出たら俺らの責任問題
 言ったらさらに負い目を浴びることになるし
 豊郷小学校で事件が起こったって報道が出るたびに感じる、それを耐えられる?」

 田所「……そうっすねぇ」

 実「…………」

 キリ「辛い気持ち全部は分からないけど、多少は感じるし
 だから、でも今回は諦めてくれないかな」

 実「…………分かった」

 キリ「だそうだ、ユーキ!土井!」

 ユーキは黒刀の刃先に闇のエネルギーを溜め、それを極限まで濃縮させる
 例えるなら臨界点間近の原子の様な、恐ろしい威力を内蔵した黒塊
 その黒塊が憂の肌に触れる

 一瞬間の出来事だった
 在る物全てを飲み込む、どす黒く、光ですら引き摺り込まれる様な黒に
 先程までいた人影が飲み込まれ消滅した


 土井も土の手甲“ゴーレムアーム”に強力な魔力を送り込む
 直接握り潰すのではなく、内部から崩壊させる為の注入だ

 一閃の光が煌めいた
 強力すぎる魔力は苦しみを与えるのではなく、苦しみが与えられる暇も無く
 ついさっきまで平沢唯であった具現型精神体は跡形もなく消滅した




 キリ「帰ろうか、ここにいても仕方ないよ」

 実「…………」

 キリ「土井、肩貸してやってくれ」

 土井「ういっす」

 岡崎「ユーキちゃんは歩ける?」

 ユーキ「アタシは肋骨折れた程度でー」(フラッ

 岡崎「ダメみたいね」

 田所「じゃあ僕が運ぶっす」

 ユーキ「悪いねー」(ヨイショー

 岡崎「そういえば那岐くんは?」

 田所「さあ…………?」




 同時刻 豊郷小学校旧校舎、音楽室

 那岐「…………」

 男「おや、気付かれてしまったか」

 那岐「」(ガチャッ

 女「麻酔銃だけでウチら2人に対抗するつもり?」

 那岐「」(ギッ

 男「まあ青年、銃を下ろしたまえ
 今日は見学に来ただけで彼らに手を出すつもりはない」

 那岐「」

 男「下ろさない、まあいいだろう
 しかし今日は面白いものを見せてもらった、また会える日を楽しみに待たせてもらうとしよう

 だが…………やはりあの舞姫は面白いな」

 捨て台詞を言い放ち逃げる2人に、那岐は銃弾を放とうとする
 だがどこから吹いたのか
 強烈な突風に煽られ目を瞑った隙に消えてしまった

 部屋には冷たさだけが残り香としてあるだけで、那岐はただ立ち尽くすしかなかった




 土井「おーい那岐、何やってんだよ」

 那岐「」(ツンツン

 土井「銃弾のケースを落としてたって?
 自分の商売道具忘れるとかバカだろ」

 岡崎「人の事言えるの?」

 田所「土井くんは仕事しないから何にも持ってないっすよ」

 岡崎「それもそうだったわね」

 土井「何だとお前ら!!」

 ユーキ「バーカー」

 土井「てめえ肋骨だけじゃなくて恥骨まで粉砕してやろうかぁ!!」

 ユーキ「臨むところよー!!」

 田所「ちょっと暴れないで下さい!痛い足踏まないで!」


 キリ「後ろの席の馬鹿ども、あんな大変だったのに元気だよな」

 実「…………」

 キリ「どうした?」

 実「ごめんなさいって、最期に言ったの聞こえたかな」

 キリ「あの2人、実の言葉聞いてた時ずっと目潤んでたぜ」

 実「……ホントに?」

 キリ「俺は嘘はつかないから」

 実「そう、か」

 気持ち、実に笑顔が見えた、ような気がした帰り道



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豊郷小学校日誌 その25


 背中合わせになり相手に対するユーキと土井
 それを双方から挟む平沢唯・憂の姉妹
 平沢唯&ギータ①

 土井「おい馬鹿ユーキ、何かいい作戦ねーのかよ」

 ユーキ「そうだねー
 一つだけ面白い策が思い浮かんだんだけどー」

 土井「ならサッサと言えよ!」

 ユーキ「だって話す機会なかったからさー」

 土井「前置きは良いから早く教えろ!」

 ユーキ「はいはいー」




 平沢姉妹はこの状況で、共鳴による相乗効果を狙ってギターを構える
 平沢唯&ギータ②

 バッチリと息を合わせられるこのコンビならではの技だ
 敵は何やら作戦を立てているようだが、この隙を狙う他はない
 そう決めて2人は同時に攻撃態勢、手を上げてギターの弦を響かせる

 その瞬間、ユーキと土井は同時に駆け出した
 ユーキは唯に、土井は憂に向かって




 ユーキの作戦はこうだ
 いつまでも固まった状態だと2VS2のコンビで勝負することになる
 即席ではないが、両者ともダメージの受けた状態だから
 非常に相手有利な環境に持ち込まれてしまうので、1VS1の状況を続けておきたい

 だから合流をさせない様に動く必要がある
 しかし憂にユーキは攻撃の特徴・弱点・癖を見抜かれていて
 土井も唯の独特のリズムにペースを乱され対応に苦しんでいる

 ならいっそ、戦う相手を入れ替えた方が好転するのではないか
 このままやっても負けてしまうだけなら賭けに出た方が勝ち目はある
 一縷の望みに賭けてみないか

 この望みが繋げることが出来れば次、というか最終まで持っていけると言うものだ




 ユーキは構え直した黒刀かの刃先に魔力を溜めて
 元阪神タイガース・真弓明信の初回先頭打者ホームランを彷彿とさせる速攻を仕掛ける
 LE真弓

 牽制として役割を担えたかどうか
 一瞬怯んだようで、さらに間合いを詰めに掛かる
 この攻勢に唯は少々虚を突かれた様だったがすぐに体勢を立て直し
 女子高生とは思えない驚異的なスイングスピードでギターを振るってくる

 だがユーキは魔術で得た人間離れした動体視力と反応力を用いて簡単に躱す
 本当はここで手数を稼いでおきたかったが
 鋭いスイングの後はあらぬ方向へ体勢を崩す癖があるため
 予想外の動きに捕まらぬ様、敢えて距離を開けて構え直しを待つ

 バランスを保ち直し、唯は次の攻撃を繰り出す
 右手を大きく上げ、その腕をグルグルと回し
 強く弾かれた弦から強烈な高周波が、それも連続してユーキに向かい響き渡る
 平沢唯 3

 ユーキはこれに対抗し、魔力で作った闇の刃を放ち打強烈な打ち合いを繰り広げる

 2VS2の状況は作らせずに済んだ
 だが1発放つ事に、一太刀振るう事に、一歩動いただけでも
 折れた肋骨に鈍い痛みが響き渡る
 これをポーカーフェイスで隠しながら、土井からの合図が来るまで耐えられるか…………




 憂に向かって駆け出す土井
 走りながら再び土の手甲“ゴーレムアーム”と戦靴“ゴーレムグリーヴ”
 重装備だが魔法の補助もあってか質量的な重さは殆ど感じることはない

 圧倒的なスピードで迫り寄ると
 巨大な右腕を思い切り、力一杯に振り切る
 これは屈んでよけられるも、腰の捻りをバネに反動で振り戻す

 これをギターで受け止めるが余りの勢いにギターごと吹っ飛ばされる
 憂は尻餅をついてしまうが、すぐさま立ち上がり反撃に臨もうとする
 そこへ土井が再び詰め寄り、左腕で強引な一撃を繰り出す
 しかしいくら強烈とは言え隙の大きい技、戦闘経験があれば躱せる代物だ

 土井の一撃を軽々と避ける
 だが躱されるまでが、躱されて相手に背中を見せるまでが計算内
 体重の残った左足一本でバックステップを踏み、後方へ回る
 想定外の動きにガラ空きの背中を見せてしまう
 土井の姿を見失い、発見するまでの一瞬間

 その一瞬で憂は右脚と左肩を掴まれ、空中へ放り投げられる
 高い天井の観光案内所にかち上げられた少女目掛けて追討ち
 右手を力強く振って、土の手甲“ゴーレムアーム”をロケットパンチの様に飛ばす
 撃墜された憂は激しく床に叩きつけられる
 そこへトドメと言わんばかりに右足の戦靴“ゴーレムグリーヴ”が飛ばされる

 憂「キャアアアアアアッ!!」

 室内に大きな悲鳴と轟音、そして視界が遮られる程の砂埃が舞い上がった




 ユーキ「来たー!」

 唯「ういーっ!?」

 室内を逃げ回っていたユーキからは喜びの声
 先程まで優勢だった唯の口からは動揺が混じった声が上がる

 そしてユーキは唯を気にすることなく、砂埃の中へ突入する
 敵前逃亡に唖然とする唯であったが、すぐに憂の安否が脳裏に浮かぶ
 思い付いた瞬間には身体が自然と前へ進み
 不安でおぼつかない足取りながらも砂埃の中へと向かって行く





 無警戒だった
 視界の外から巨大な土の腕が女子高生の細い体を逃がさぬようガッチリと締め上げる
 いつの間に忍び寄ったのだろう、土井が唯の側面に回っていたのだ

 唯は悲痛の叫びを上げる

 唯「離して!憂は、憂はどうなったの!」

 土井「殺しちゃいねーから安心しろ」

 唯「本当に!?本当に大丈夫なの!?」

 土井「砂埃が収まったら分かるから、少し落ち着いてくれや」

 唯「うーーーいーーー」


 徐々に視界が晴れ、砂埃の中からうっすらと人影が見えてくる
 そこにいたのは憂の首元に黒刀を突き付けたユーキと
 両手を頭の後ろに回して正座している憂だった

 唯「ういーっ!!」

 憂「お姉ちゃん!私はまだ大丈夫だから心配しないでー!」

 唯「やめてーーー!憂に手を出さないでーーー!!」

 土井「分かった分かった、大人しくするなら何もしねーから
 でも、ちょっとでも動いたら握り潰すか首掻っ切るかするからな」

 ユーキ「まあこれで一段落したんだからー
 今からはお話タイムってことでー」




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豊郷小学校日誌 その24


 戦っていないキリ&岡崎&実&田所&那岐



 田所「しっかしハデにやるっすね」

 キリ「2組とも相当の実力者だからな
 あの姉妹のコンビネーションだって抜群だし」

 岡崎「土井くんとユーキちゃん勝てるかしら……」

 キリ「普通に戦って、竸って来たら力押しすれば何とかなるんじゃね?」

 実「でもお姉ちゃん、肋骨が何本か折れてるみたいなんだけど」

 田所「土井くんも連戦だからその疲労感もあるっす」

 キリ「…………雲行きが怪しくなってきたな」

 田所「女子高生相手だから大丈夫じゃないっすか、たぶん、おそらく、ハイ」

 実「そもそもあの人達って何者なの?女子高生にしては常人離れしてるし」

 キリ「炎魔法使える女子高生が何を言うか」

 実「それはそうだけどさぁ」

 岡崎「あの娘たちは“具現型精神体”よ」

 実「具現型精神体?」

 岡崎「ええ
 通常は体から離れたものがこの世に留まる事で誕生するのが精神体なの
 でも具現型精神体は、誰かの強烈な想いから生まれた物なの」

 実「強烈な思いが具現化するって凄くない!?」

 岡崎「そうね、言っちゃえば妄想が現実化しちゃうことだから
 でもこの豊郷という場所と、集まってきたアニメ好きの人たち

 彼らが願った“アニメのキャラが現実にいてくれたら”という想い
 それがシンクロした結果、彼女たちが生まれてしまったのよ」

 キリ「オタクって怖いな」

 岡崎「でもね、一つだけ問題があったの
 それがけいおん!人気の安定化と衰退
 彼女たちが具現化、具現型精神体でいられる理由は想いの強さによるもの
 だから人が少なくなるとこの世に存在する事が危うくなる

 それを解決するために彼女たちが行った方法が」

 キリ「強力なエネルギーの吸収
 すなわち俺たち、特にユーキや土井が持ってる莫大な魔力を狙って閉じ込めたんだ」

 那岐「」(ピクッ

 実「何か…………スゴい理不尽ね
 人間が勝手に生み出しておいて、勝手に朽ち果てされる
 それを時代の移り、ブームの盛衰、変化への対応で片付けちゃうんでしょ」

 岡崎「でも当の本人が知らない所で勝手に生まれちゃったものでもあるでしょう」

 田所「それはそうっすけど……どうにかならないんっすか!?」

 岡崎「このままにしておいても、いずれ彼女たちは消滅するし
 消滅しないために本能で生き延びる道を選ぶかも知れない
 それを選ばれて傷つくのは無関係な一般人よ」

 実「でも!ここで消しちゃうなんて可哀想じゃない!
 彼女だって形は違えど人間なんでしょ!!」

 岡崎「彼女たちは人間じゃない!別次元の住人なのよ!」

 実「き、キリさんはどう思う!?」

 キリ「俺は傍観者だし…………って意見は通用しなさそうだな」

 岡崎「ここの決定権は最高権力者のキリくんに一任されてるから」

 キリ「じゃあ勝手に結論と見解を出させてもらうなら

 これ以上の犠牲者を出すのは得策じゃないしあの2人を消すべきだと思う
 それに梗子ちゃんも言ったけどアレは人じゃない、本来はいちゃダメな存在だよ」

 田所「キリさんもそうなんっすか」

 キリ「岡崎の意見を重視しただけだよ」

 実「そんな……2人とも…………」




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豊郷小学校日誌 その23


 目の前を恐ろしい速さでギターが過ぎる

 ユーキ「!?」

 憂「今から戦うのはそこの2人って事でいいのね」

 土井「ユーキ、お前動けんのか?」

 ユーキ「もちろんー」

 そう言い放ってドス黒いオーラを放つ黒刀を抜き取り、構えるユーキ
 それに不敵な笑みで応える土井

 土井「ならコッチも魔法、使わしてもらうぜ!」

 俺も本気だと言わんばかりに両手両足を広げ身構える土井
 その手足の先端に魔力を集中させる
 するとみるみる内に砂が集約され、巨大な手甲と戦靴が形作られた

 憂「魔法使いなの!?」

 土井「身体強化が主だがな、普段使わねーけど」

 唯「ういー、どうするのー?」

 憂「お姉ちゃんは男の人を倒して!」

 唯「分かったよ!」

 唯はギターから高周波を放ち土井へ攻撃する
 巨大な装備を身に付けるも、その重さを感じさせない速さで避け一気に近付く
 それに反応し、ギターを振るって牽制する

 土井は一歩下がってステップを踏むと今度は背後に回り込む
 踏み込みの勢いで力の篭った拳による渾身の一撃を放つ
 それを迎え討つは遠心力と、オーバーソウルされた柳田悠岐の力が乗り移ったギー太の一閃

 フルスイングされたギターが、高度な魔力で固められた手甲を打ち砕く

 土井「なっ!?」

 高度な魔法を破られた事による動揺
 それを打ち破ったのが女子高生という衝撃に呆気に取られる土井
 そこに畳み掛けるが如くギターが振り下ろされる

 咄嗟に反応した左腕の手甲でそれを受け止める
 今度は力で押し込みきれず弾き飛ばされる唯
 受け止めたはいいもののヒビが入り無残に砕け散る土井の手甲

 しかしすぐさま魔力を集め、再び土の鎧を形成する
 飛ばされた唯も立ち上がって次の攻撃の構えを見せる

 とりあえず様子見と、間を広げ警戒する
 しかし間髪入れずに、腕をグルグルと回しながら高周波
 それも先ほど比べるとかなり高威力のモノを繰り出してくる

 土井「うわっ!?」

 その場で耳を塞ぎ立ち竦む、動きたくても体が言う事を聞かない
 さらにビリビリと体の内側から震える感覚が襲い掛かる
 徐々に結への集中力が切れていく

 鳴りやんだか?
 そう重い耳を塞いだ手を緩め、反射的に瞑った目を開け前を見る
 黒い影、飛び掛って来た結がすぐそこまで、力強くギターを振り上げて

 恐怖感に身を任せ横っ飛びで避けようとする
 だが力を込めた左足が不意にバランスを崩す
 音波の影響で戦靴の内部が崩壊してしまったのか、それとも魔力による集束が緩んだのか
 戦靴が体重移動による重心の変化に耐えられず砕けてしまった

 魔力が抜け、形だけを残した右の戦靴にギロチンを思わせる強力な叩き付け
 物凄い爆音と共に大量の砂埃が上がり、2人の姿が消えてしまった




 黒刀を元阪神タイガース・岡田彰布の如く力強く振るって憂に挑むユーキ
 MS1弾 PM岡田

 憂「その描写いります?」

 ユーキ「無かったらアタシの猛虎魂の落ち着く場所がないじゃないー」

 憂「それ分からないから」

 茶々を入れつつも、憂はギターで反撃に出る


 脇腹の痛みを堪えながら、それを表情に出さないよう歯を食いしばり刃を撃つ
 一太刀めは外すも流れる様に次の攻撃を繰り出す
 およそ骨折している人間とは思えない華麗な動き
 糸を引くよな剣捌きでどんどん押していく

 だが当たらない
 痛みを押し殺しているだけ力が余計に入り大振りになってしまっている
 相手もそれなりの実力が、それだけではなく動きが完璧なこともある
 洗練された基本に忠実な動きから披露される目立った癖やこれといった隙が全くない

 故にぶれた刃先が身体を捉えられない
 追い込んでいる様に見えても手応えが得られない
 その当たらない攻撃が止む隙をついて反撃に遭う
 姉妹揃ってギターを武器に、姉とは異なり力が無い分よりキレが良い

 振るうギターは黒刀を避けユーキの身体を直に狙ってくる
 これを辛うじて避けるも至近距離からの音波攻撃で息を着かせない
 続いて高周波を鳴らして位置を調整させられる

 憂にとっては計算通り、ユーキにとっては図られた場所に位置取ってしまう
 そこへ向かって距離を詰められ、強烈なギターの一撃が飛んで来る
 黒刀を構え耐えようとするが、思った以上のパワーに手元から弾き飛ばされ
 衝撃に痺れた腕を反射的に抑え、痛みに耐える

 憂「満身創痍なんでしょ?もう降参してもいいのよ」

 冷たい言葉と目線を向ける憂
 それに歯向かうように、力のこもった眼差しを返すユーキ

 ユーキ「まだ本気出せてないだけだからねー」

 憂「まだそんな事言えちゃうんだ、舞姫さん」

 ユーキ「…………」

 憂「貴女ってスゴく目が良いって聞いてるんだけど
 それが弱点にもなってるって知ってるんだよ

 その弱点を付ける私に勝ち目なんてあるのかしら?」

 ユーキ「見くびるなよ」
 落合博満

 言い放つと強烈な足払いを喰らわせる
 不意打ちに対応できずそのまま尻餅をつく憂を尻目に
 床に落ちた黒刀へと阪神タイガース・西岡剛を彷彿とさせる瞬足で駆け寄る
 14弾 GR西岡

 拾い上げ再び刀を構え的に正対しようとするユーキ
 その背中に何かがぶつかる

 土井「お?」

 ユーキ「あらー、奇遇ねー」

 背中合わせに互いの敵と向かい合うユーキと土井

 土井「どうだ、何とかなりそうか?」

 ユーキ「JFKまでの磐石さとはいかないけどー
 2013年タイガース勝利の方程式並みの勝ち筋は見つけたわよー」

 土井「教えてもらおうじゃねーか」

 16弾 ST加藤康介
 15弾 ST安藤
 15弾 NB福原





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豊郷小学校日誌 その22


 唯「つまり!今ここにいるみんなは私たちを倒しに来たってことなんだねー」

 キリ「まあ、一応はそういうことになるな」

 唯「どうするのー、ういー?」

 憂「戦うしかないんじゃ……」

 唯「やっぱりそうなっちゃうのー」

 土井「何か今までのと比べると調子狂うな」

 ユーキ「戦う気満々ってワケじゃないみたいだしねー」

 唯「でも!戦えって言われたら私だって頑張るんだからねー」

 土井「やる気あるのか」

 唯「私とギー太のコンビネーション、披露してあげるからね!」

 ユーキ「ギー太?」

 唯「そう、私の相棒のギー太!」

 そう言うと横に置いてあるギターケースからギターを取り出しビシッっと構える
 平沢唯&ギータ①

 田所「ギター…………っすか?」

 唯「そう、ギターのギー太だよ!」

 田所「はぁ」

 唯「さらにこのギー太、すごいんだよ」

 憂「いくよお姉ちゃん!」

 そういうと憂はポケットから数枚のカードを取り出す

 唯「いくよー
 オーバーソウルinギー太!!」

 ユーキ「お、オーバーソウルー!?」

 土井「何やるつもりなんだ、この女子高生!?」

 唯「最近ウエハースを食べて手に入れたこのギータ!
 これをギー太にオーバーソウルするのです!」
 15弾 ST柳田 ウエハース

 キリ「ちょっと待て、そのギータどこで手に入れた!?
 てかオーバーソウルってホークスの主力勝手に殺したの?殺しちゃったの!?」

 唯「いっけーーーーーーっ!!!!」

 キリ「無視すんなやっ!!」

 憂「さらにこの15弾に11弾柳田を重ね
 11弾 NW柳田

 それに追加してプロモーション松中で“不動の大黒柱”
 OLP11 松中

 そこに11弾松中を重ね、11弾ペーニャとのコンボで“ビッグアーチトリオ”
 11弾 SSペーニャ
 11弾 SL松中

 14弾内川に12弾内川を重ねて“存在感”“ウルトラミート”
 14弾 SS内川
 12弾 VI内川

 9弾細川がスタメンマスクで“守備の神様”で守備力もアップ
 9弾 ST細川

 15弾長谷川をスタメン登録して“対照的コンビ”
 15弾 SS長谷川

 16弾松田もスタメンで“和製スラッガーコンビ”
 16弾 CL松田

 先発投手はもちろん13弾武田翔太、これで“勝ち運4”で打力を底上げ
 13弾 BS武田

 打順構成は柳田→内川→長谷川→松田→松中→ペーニャ→本多→細川→明石
 9弾 SS本多
 13弾 ST明石 ウエハース

 ピッチャー陣もホークスで固めて追加スキル発動
 これで“ジグザグ打線”“ダイハード打線”“若鷹軍団”

 そして極めつけは最新弾のアイドルを、純正の掟破りで3枚登録
 これで“ガツガツ・オンパレード”だけじゃなくて
 “パ・リーグ大盛豪華コラボ”“球界特盛豪華コラボ”の2つも追加で発動するの!」
 IDホークファミリー




 カードの効果なのか、元々保持していた潜在能力が覚醒したのか
 唯の身体から橙色のオーラが溢れ出し、圧倒的な威圧感を醸し出す
 これによって先程までとは比べ物にならないエネルギーが
 案内所内の空気を震わし、磁場を歪ませ何人足りとも寄せ付けない様な空間を構築する

 土井「おいおい、コレ洒落になってねーぞ」

 ユーキ「これはちょっとマズいかも知れないわー
 那岐くんー、キリさんと岡崎ちゃんを避難させてねー
 田所くんは人柱になってねー」

 那岐「」

 田所「ちょっ!!」

 土井「いいからサッサと死ね」

 田所「それは酷いっすよ!!」

 憂「そんな遊んでるヒマあるの?」

 ユーキ「!?」



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豊郷小学校日誌 その21


 豊郷小学校内にある豊郷町観光案内所
豊郷小学校 観光案内所

 実際は観光客の休憩所、憩いの場と化しているのが現状であるが
 それでも落ち着いた雰囲気の中で一定の賑わいがある
 豊郷小学校 豊郷町観光案内所内
 
 しかし今、中には机を囲んで4人だけの世界
 それも談笑しているわけではない
 互いが真剣に、神経を盤上に注いで対峙している

 その中心に置いてあるのがこの“カロム”だ
 カロム




 カロムとは、滋賀県の湖東地方で根強い人気を誇るボードゲームで
 赤と緑でチーム分けをし
 自分の打ち駒と同じ色の駒を四隅にあるポケットに落としていき
 全て落とし終えたら、一番大きな駒であるいわゆる“王将”を
 ポケットに入れたチームが勝ちとなるゲームだ

 赤チームはキリと岡崎、緑チームは瓜二つの姉妹に分かれ
 盤上の駒と激しい睨み合いに火花を散らせている
 カロム 図解


 試合展開はまさに一進一退
 抜群の物理計算能力でポケットに次々と沈める岡崎
 時々しか発動しないため計算に組み込みづらい天性の直感で突き進むキリ

 正確無比の駒捌きで完璧な駒運びを見せる妹
 ツボにハマれば抜群の集中力と実力を発揮し、一気に流れを持っていく姉

 波の激しい相方を完璧にサポートし有利な展開に導く、白熱する凸凹コンビ同士の戦い
 出会ってから試合が始まって30分の間に2試合を行い
 ここまで1勝1敗のタイ、もちろん2試合とも接戦だ

 今行われている決着の3試合目も終盤まで縺れている
 有利なのは豊郷小学校姉妹チーム


 次に駒を撃つのはキリ
 時計回りに打ち手が移動するので、ここで一手を投じないと
 王将を姉妹チームに落とされて負けてしまうこの状況
 カロム 窮地

 狙うは赤駒と王将の間を抜け、壁で跳ね返った撃ち駒が2個を線内に戻し
 加えて姉側の線内にまで王将を弾き飛ばせれば勝利をほぼ手中に出来る
 無論、難易度は非常に高い
 だが、ここで決めないと男じゃない

 岡崎「キリくん、いけそう?」

 キリ「いつもは頼りなくてもここ一番で決める、それが俺だろ」

 岡崎「行き当たりばったりの人の台詞は信じられないんだけど」

 キリ「うるせー」

 唯「ういー、ホントにこのまま勝てるのー?」

 憂「この男の人が失敗したら大丈夫だよ」

 キリ「失敗するとか言うなー!」

 唯「分かった!じゃあ失敗してね!」

 キリ「黙れ黙れ黙れー!!」

 岡崎「楽しそうなのはもういいから、早く決めてくれない」

 キリ「はいよー」

 力を込められた人差し指から放たれる強烈な一撃
 糸を引くように盤を突き進む駒

 打ち駒は神業の如く2つの間を抜け壁に激突する
 衝撃で威力は衰えたが動かすには十分な力を保持しつつ
 王将にぶつかり、計算通り唯の手元に入り込む
 さらに赤駒も岡崎のライン上へと弾き出す好プレー
 カロム 窮地打開

 キリ「よっしゃあ!!」

 唯「ええー、それはないよー」

 この一手に集中力を削がれたか
 続く唯は赤駒をライン内へ戻そうとするもミスショットで岡崎有利の状況

 唯「お願いします梗子さん!この回は失敗してください!」

 岡崎「なんでよ」

 赤駒を簡単にポケットに入れて、残るは王将

 唯「おーねーがーいー
 もう一個入れたんだから許してくだせいー」

 岡崎「ああもう!弾くのに邪魔だから引っ付かないで!」

 唯「あーうー」

 憂「お姉ちゃん、邪魔しちゃダメだよ」

 唯「せめて!せめて全力でやっていいから失敗して!」

 岡崎「軌跡さえ読めればあとは威力の調整だけで十分なのよ!」

 そう言って飛ばした打ち駒は王将にぶつかり、そのままポケットに沈んでいった

 この瞬間唯&憂姉妹は力尽きた
 しかしこの勝利を呼び込んだのは間違いなくキリが放った神の一手
 彼無しではこの戦果を得ることは出来なかった

 この姉妹は後の世まで語り継いでいった
 “あいつこそがカロムの王子様”だと
 カロムの王子様




 土井「何やってんっすか?」

 ユーキ「随分と楽しそうねー」

 キリ「いやー、校舎に入れる場所見つからなくて途方に暮れてた時に偶然仲良くなってな
 で、憂ちゃんにお茶入れてもらったりカロムで遊んでたわけよ」

 唯「楽しかったよねー」

 キリ「俺の話で喜んでもらえるに越したことはないし」

 ユーキ「なんだろうー
 このほのぼのとした雰囲気が気に喰わないのわー」

 土井「奇遇だなユーキ、俺もだ」

 那岐「」(コクリッ




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豊郷小学校日誌 その20

 渾身の一撃に火の海と化した講堂に力尽きるユーキ

 勝利を確信し小躍りするさわちゃん
 さわちゃん 精一杯の歓喜

 さわちゃん「やったわー!
 遂にあの舞姫を私の手で仕留めることが出来たのねー!
 これはこの後のティータイムであの娘達にも自慢しなきゃねー」

 先生すごーい!
 やっぱりさわちゃん先生って格好良くて優秀な先生だったんだ
 見直しました、これからは先生のファンクラブに入ります!!

 さわちゃん「なんてね!なんてねー!アハハハハハー!!」




 実「スゴい嬉しそうに眠ってるね、この人
 何でもいいけど早いトコ運んじゃお」

 那岐「」(コクッ

 勝利の快感に酔いしれ、撃たれた事に気付かず、その余韻に浸りながら深い眠り墜ちた
 燃え盛る講堂、その原因であるゴキブロにゃんは噴火のエネルギーが底を付き
 なおも暴走を続けオーバーヒートを起こしている
 このままだと大爆発を引き起こすのも時間の問題、早めに出しなければならない
 ごきブロにゃん オーバーヒート

 2人はユーキとさわちゃんを講堂外に引っ張り出し、安全と思われる場所まで運んだ
 そして校舎まで戻った所で偶然にも土井&田所組と合流出来た

 実「土井くん!田所くん!」

 土井「ういっす、2人とも無事だったか」

 実「何とかね、お姉ちゃんはまだ気失ってるけど」

 土井「ユーキ負けたのか、情けねえなぁ」

 実「勝負に負けたけど試合には勝ったんだから!
 それ言ったら土井くん達も遅かったじゃん、そっちこそ苦戦してたの?」

 土井「いや、ちょっと尋問(意味深)で手間取った」

 田所「堪能してた、の間違いじゃないっすか」

 土井「ちゃんと情報聞き出したからな、妙な誤解生むような発言は控えてくれたまえ」

 田所「胡散臭さしかないっす」

 那岐「」(ウン

 実「それで、どういう情報ゲットしたの?」

 土井「この校舎に張り巡らされた結界貼ってるのが
 この校舎のどこかにいる真鍋 和って言うメガネ少女らしくて
 そいつ捕まえて、どうにかさせたら脱出できるらしいわ」

 実「あー、ならもう脱出できるね」

 土井「そうなの?もうちょっと女子高生を尋問したかったんだが・・・・・・」

 実(土井くんも今時の女子高生とお話がしたいのかな?)

 田所「と、とりあえずキリさんと梗子ちゃんに合流しません」

 土井「あの2人大丈夫かな、敵に襲われてもう殺されてたりとか」

 田所「土井くんじゃないのに殺されるとか本格的にマズいっすよ!!」

 土井「俺は殺されていいのか!?」

 田所「むしろ死んでおいて下さい」

 那岐「」(コクコクッ

 土井「何だとこのでくのぼう!そして那岐は激しく頷いてんじゃねえ!」

 実「誰かー、お姉ちゃん運ぶの手伝ってくれない?」




 土井「校舎の中は一通り探したけど2人は見なかったな」

 田所「キリさんと梗子ちゃんは恐らく」

 実「あの建物“豊郷町観光案内所”の中にいる、と」
 豊郷小学校 観光案内所

 ユーキ「怖いわねー、妙な殺気がプンプンしてるわよー」

 実「お姉ちゃん起きてたんだ」

 ユーキ「肋骨は何本か折れてるみたいだけどねー」

 土井「もう2、3本オマケで折ってやろうか?」

 ユーキ「それならアタシがアンタの棒グラフを折れ線グラフにしてあげるわー」

 土井「・・・・・・そんな元気があるならやってもらおうじゃねえか」

 ユーキ「臨むところよー
 でもあげるハンデが骨折だけじゃ厳しいんじゃないー?」

 土井「ハンデの有無で俺の勝ちが揺らぐとでも思ってんのか、負け犬が」

 ユーキ「器用貧乏のもやしっ子の分際で舐めたクチ聞いちゃうわねー」

 田所「いいから場外乱闘やめてくださいよ!」

 実「2人ともこんな状況なんだから危機感持ってよ!」

 土井・ユーキ「サーセン」

 田所「とりあえず、この中入るっすから
 一応敵の本陣っぽいんで臨戦態勢整えといて下さいよ」

 土井「任せとけ!」

 ユーキ「血が騒ぐわねー」

 実「お姉ちゃんは休んだ方が・・・」

 ユーキ「この元阪神タイガース・平野恵一並のガッツを舐めるなー」
8弾 SS平野恵一

 実「はいはい、じゃあ行くよー!」


 力強く観光案内所のドアを開け放った


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豊郷小学校日誌 その19


 ゴキブロにゃんが起こす噴煙で火の手と黒鉛が上がる講堂
 燃え盛る炎に包まれる前に決着を付け、脱出しなければならない
 ゴキブロにゃん

 おふざけが許されない環境で黒刀を構えるユーキ
 ユーキ おふざけ

 ギターを構えマスクを含めた衣装を整えるさわちゃん
 さわちゃん

 先に動いたのはさわちゃん
 狼煙替わりの高周波を響かせ牽制
 一瞬感のひるみを作り、その隙を狙ってギターを振りかぶり襲ってくる

 ユーキも抜群の眼力を活かし、動きを見切って軽くでかわす
 ステップで切り返すと踏み込んで斬りかかる
 遠距離の方が勝率は高いが時間が掛かる、総判断して接近戦を挑む

 だが近距離戦は瞬発力が物を言う
 重いギターを軽々振り回すパワーに経験に裏打ちされた判断力と鍛え上げた技術
 高い総合力で真っ向から迎え撃つ

 力強く振られたギターが鼻先を掠める
 回った腰の反動で、逆回転のもう一発振るう
 これも数センチの差で避けて反撃に黒刀で一撃
 衣装を多少切り裂くもダメージは無い

 だが闇の波動と斬撃で相手のカラ度を動かすことで徐々にスタミナを奪う
 来たるチャンス、致命傷を与える一瞬を狙うために




 講堂2階、実&那岐とメガネ少女が戦況を見つめる

 実「ねえ、早く外に出ないと私たちも煙に巻かれちゃうよ!」

 メガネ少女「そうはさせないわ」

 実「何バカなこと言ってんの!?私たちも死んじゃうじゃない!!」

 メガネ少女「どうしてもここから出たいなら私を倒すことよ」

 実「そんな・・・」

 那岐「」(コイコイ

 先程の戦いでま料を大量に消費した実
 まだ実力が未知数の相手に挑むのは無謀だ

 そんな状況を察してか那岐は実りに椅子に座るよう促した
 納得しない様子だったが、どうしようもないので椅子に腰掛けた

 メガネ少女もそれに従い、戦いを傍観しようと椅子に座った

 次の瞬間、那岐は椅子に立て掛けておいた長銃を掴むした
 予想外の反撃と油断で呆気に取られ無防備を晒すメガネ少女に正対し
 みぞおち目掛けて強烈な付きをお見舞いする
 息が出来なくなりその場にうずくまった少女の首元に手刀を当てて完全に気絶させた

 那岐「」(クイッ

 実「この娘を運べって?」

 那岐「」(コクッ

 指示されて実はメガネ少女を講堂外に運び出した

 行動に残った那岐は長銃に銃弾を込める
 そして一発、ユーキに聞こえるように空中に撃つ

 パーンッ!!

 そしてさわちゃんに向かって銃先を向け“いつでも撃てる”のサインを出した




 銃声に気付いたユーキは行動後ろを振り返り、その暇で理解する

 ユーキ「どうやら風向きがコッチに来たようねー」

 さわちゃん「それはどうかしら」

 ユーキ「えー?」

 さわちゃん「この黒鉛漂う室内で正確な射撃ができる?
 それに、この重装備を貫通できる程あの麻酔弾に威力はあるのかしら」

 ユーキ「それは問題ないわー」

 さわちゃん「あら、ならやってもらおうじゃないかしら!」

 ユーキは見切っていた、さわちゃんの素肌が一瞬間出る箇所とその時を
 右回転左回転問わず、ギターを横に薙いだ時に豪華な衣装が舞う
 それに白い髪の部分に覆われた首が見えることを

 やるべき事は一つ
 那岐から見て左側に立っている場合は時計回転
 右側にいるなら半時計回転で横薙ぎの攻撃を繰り出させる

 暑さと煙は那岐の銃には影響しない
 いかに隙を大きくするかがユーキの仕事だった
 そのためには…………

 ユーキは少々の間を取って相手の動きを計算する
 そしてその予測が合ってる事を信じ、自分の決断に腹を括って駆け出した

 今さわちゃんは那岐から向かって右側にいる
 だから時計回りにフルスイング
 そう、あの阪神タイガース期待の若手・伊藤隼太張りのスイングをさせること
 10弾IF 伊藤

 黒刀を右手に携えて距離を詰める


 これに応えてさわちゃんもギターを準備する
 構えから一目で分かる、明白な隙を見せながら突っ込んで来る獲物
 暑さと疲労に酸素濃度低価で頭が回らないせいかそれに疑念を抱くこと無く
 わずかな隙を逃さまいとありったけの力を込める


 黒刀が届くまで距離に近付き、右下から左上に向かって力強く
 阪神タイガース・関本賢太郎の如く右スイングを一閃
 これを空振りするところまでが仕事
 13弾 NB関本

 さわちゃん渾身の一撃がガラ空きの右脇腹へ襲い掛かった




 食らわなければ意味がない
 振り切られるとその反動で髪が振り戻されて首筋が見えなくなる
 だからどうにかして受け止めて、首筋を少しでも長く露出させなければならない
 露骨に受け止めたら何かしらの意図があると警戒されてしまう

 だから何が何でも、一撃を受ける必要があった
 しかし、いくら準備していたからといって強力な一撃を生身で受け止めるのは強烈だった

 メキッ

 嫌な音が脇腹から脳天へと突き抜ける
 あまりの衝撃に息も出来ない
 疲労感も相まって足に力が抜け、意識が急激に飛んでいく




 あとは任せたわよー



 

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豊郷小学校日誌 その18


 ユーキin講堂

 ゴキブロにゃんとかいうヒードラン(91‐90‐106‐130‐106‐77)が
 教壇の上で雄叫びの如く噴煙を上げ始める
 講堂内に硫黄の匂いが立ち込め、二酸化炭素濃度が急激に上昇する
 ゴキブロにゃん②

 講堂2階の実から向かって右手に実の姉・ユーキ
 ユーキ おふざけ

 左手には夜叉とも思しき風貌の女性がギターを構え、その中間に噴煙を吐く化物
 さわちゃん②

 さわちゃん「これで遂に1VS1、いわゆる決戦の時ねー
 でも散々走り回ってもう疲れてるんじゃないかしら?」

 挑発にも応えず沈黙を続けるユーキ
 しかしながら互いに、相対するにはベストな位置を模索する

 急激に変化する過酷な環境
 数十分動き回ったことによる肉体の疲労
 両者ともにそれを考慮して相手の動きを考え、次手を選択しなければならない

 実「お姉ちゃん…………」

 1秒毎にゴキブロにゃんが吐き出す莫大な量の不燃が充満し
 木造建物特有の保熱効果により異常な気温上昇が生じ、額に雫を光らせる

 床に垂れる汗と静寂が強調させる吐息、交わされる殺気の篭った視線
 一瞬間、一挙手一投足が絵になりそうな駆け引きが5m弱の間隔で繰り広げられる


 この沈黙に賽を投げ入れたのはユーキ
 何を合図に動き出したかは分からないが、自分だけが知り得る瞬間を見切り
 力強く床を蹴り、一目散に向かう

 その方向は何故かゴキブロにゃんへ
 そして渾身の飛び蹴り(タイプ不一致、威力100)を浴びせる
 効果抜群の一撃を堪えきれず講堂ステージ奥の壁に叩きつけられた

 呆気に取られるさわちゃんを含む講堂内の一同
 肩で息をして気分を落ち着けた当事者のユーキは思い切り叫んだ

 ユーキ「まだオ・スンファンの紹介終わってないでしょーがー!!」
 オ・スンファン

 実「お姉ちゃん!?」

 ユーキ「何よー!」

 実「馬鹿なのっ!?」

 ユーキ「むしろ阪神タイガース応援・宣伝がこのブログの目的よー!」

 メガネ少女「あなたのお姉さんって一体何者なの?」

 実「恥ずかしながら単なるトラキチです…………」

 メガネ少女「大変、みたいね」

 実「いつでもどこでも暴走しちゃうんで」

 メガネ少女「そういう気持ち、私も少し分かるわ」

 苦労人2人のため息が行動内に漏れた




 講堂1階ではさわちゃんが呆然と立ち尽くしている

 さわちゃん「あらあらー」

 ユーキ「いやー、我がタイガースについて語らせてくれなかったのでついー」

 さわちゃん「それはいいと言うか、しょうがない事なのかもしれないけど
 ちょっとマズいかも知れないわー」

 ユーキ「えー?」

 そう言うとさわちゃんがゴキブロにゃんを指をさす

 不意打ちに対処出来ず気絶し噴煙を止めたゴキブロにゃんが丁度目を覚ます
 そして思い出したかの様に、一撃への怒りを主動力に噴火し始める

 講堂の壁に火の手が上がり、おびただしい量の煙が立ち込めた

 ユーキ「コレはー?」

 さわちゃん「これでもうふざけてる時間は無いわよー」

 火の粉が降り注ぎ、いつ講堂の屋根が落ちてきてもおかしくない状況
 より迅速な決着を求められる状況に自ら追い込んでしまった

 決着を付けて脱出するのが早いか、それとも押し潰されるのが先か
 化物対決の頂上決戦、最終ラウンドの火蓋が切って落とされた





プロフィール

キリ

Author:キリ
画像は秘書の岡崎さんです

9・13、人物紹介更新しました

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