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キリ・ユーキ・土井の長崎食道記 夢想編


 キリ「あれ、ここは…………」

 気付いたら神社の境内にいた
 足元一面には、真夏にも関わらず片付けられる様子が無い落ち葉が広がっている
 その中でキリは、ただ立ち竦んでいた

 少し離れた所で子供たちが遊んでいる
 山の形をした遊具の上で女の子が目を手で覆って数を数え
 30を数え切るまでに、その子の周りから子供たちが離れ、物陰に身を隠していく

 他愛もないかくれんぼのだ

 ぼんやりとそのやりとりを見ながらキリは少し考える
 自分が今どこにいて、ここがどういう場所なのかは何故かハッキリ分かる

 1945年8月9日11時の長崎

 数分後に原子爆弾が落ちる事、この場所が豪火に焼かれる事
 目の前に広がる地獄絵図と、自分もその絵の中に放り込まれる事
 全ての展開が頭の中に浮かんで来る

 もう避ける事は出来ないと理解しているからか、焦りは無い
 ただ何となく“即死は嫌だな”と思い、石垣の陰に隠れた

 そしてその時を待つ
 あいにく時計を付けない主義なので、いつ訪れるかは分からない
 焼かれる瞬間まで、先程の子供を見つめ時間を潰す

 30を数えた少女が覆っていた手を外す
 十数秒ぶりの日差しに目を慣れさせるため空を見上げ
 目を慣らす為、遊具のてっぺんからゆっくり回りながら周囲を見渡す

 少女が周囲を見渡す姿は逆光も相まって一枚の絵画の様にも見え、幻想的だ


 そして、その時は訪れた
 上空から強烈な光が一帯を包み込み、視界を覆う
 先程まで幻想的でキリの目を魅了していた少女が溶けて形を崩す

 次いで凄まじい爆風と熱風が吹き荒れ、全てを吹き飛ばしていく
 石垣で直接の衝撃波は受けなかったものの
 収まるまでしばらくの間は陰から動くことが出来なかった

 耳を塞ぎ、目を閉じ何分過ぎたのだろうか
 何かしないと始まらないと思い立ったキリは境内から街へと向かう

 先程まで騒がしかった子供の姿はどこにもない
 代わりにそこら中から呻き声がこだまの様に聞こえ続ける

 悲惨な光景
 建物が瓦礫と化し、数キロ先まで平坦な土地に変り果てて
 右を見ても左を見ても数多の遺体が転がり
 歩く人間は目が虚ろで、意思・目的が読み取れず、ただ彷徨っている

 生き地獄の構成要素となりつつも
 爆弾による灼熱と歩き続ける疲労から眩暈に苦しみながらも
 “どこか高い所から街を見渡さないと”
 それを心の拠り所として、ひたすら長崎を歩く

 すると多くの人が一心不乱に向かう場所を見つけた
 どうやら街外れの高台にある診療所兼通信所にて
 何らかの治療と救助が受けれるらしい


 ほんの数分の出来事であるにも関わらず、既に疲労困憊
 少しでも早く楽になりたかったが、そこまでの道程はあまりにも辛い
 足が震え、汗水を際限なく垂らし、死相を浮かばせながらも
 ただ救われる事だけを信じて急な坂を一歩、また一歩と上る


 その時、急な吐き気に見舞われ思わず右手で口を覆う
 その場に蹲って、喉に指を突っ込み詰まる固形物をムリヤリ嘔吐する
 手の平に吐き出されたのは黒い炭だった

 「ああ、コレが俺の内臓か
 何か資料館で見たわ、被爆して内臓が炭化して吐くって
 俺もう死ぬのかね…………」

 心が折れそうになるも、人生最後の目的を果たす
 救われる事を諦めた男が見せる最後の意地
 本当にこれだけを頼りに、通信所までの坂道を進む

 どれくらい歩いただろうか
 高台頂上の平坦な土地に辿り着く
 膝に手を付き、一呼吸を置いて原爆投下直後の町を見下ろした

 あれ程までに賑わっていた町は灰燼に帰し
 あらゆる所から火の手が上がり、なおも呻き声が響き渡る
 救ってくれるものなど何1つ存在しない
 生き残るには自力で、それが出来ないものは死を待つしかない世界

 この世の地獄だった



 「俺、もう死ぬのかな」

 体力・精神共に果て、そのままキリは意識を失った




 ???「…………さんー」

 ???「キリさんー、そろそろ起きなよー」

 キリ「……あ?アレ、ここは?」

 ユーキ「居酒屋~大人のきりたんぽ~だよー
 キリさん疲れてる所に酒飲んだから倒れちゃったじゃんー」

 キリ「そうか、そうか…………
 俺は死んでねえし、内臓も吐き出してないんだな」

 ユーキ「アル中で脳やられちゃったー?」

 キリ「さあな、ただ酷い夢を見た」

 土井「美女と遊んでたらその中にユーキが混ざってたとかっすか?」

 ユーキ「なんだとー」

 キリ「それは悪夢だ」

 ユーキ「殺すー」

 キリ「刀を首に突き立てるなユーキ
 見たのは原爆投下された夢だ」

 ユーキ「あちゃー
 平和祈念公園歩いただけでそんな夢見ちゃうって感受性強過ぎないー?」

 土井「流石キリさん!率先して不謹慎を語るなんて俺の恩人名だけあるっす!」

 キリ「ああ、残念過ぎるわ
 まあ原爆の夢は溢れるエネルギーとその暴走って意味があるらしいから
 吉報があることを祈りたいんだけどよぉ」

 土井「溢れ出る性よk」

 キリ「次回は長崎旅行のまとめやるよ!」
 朝の長崎①


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